アーケードヒストリー 追記
07月17日
暑いですね。溶けそうです。
今週はアーケードヒストリーを放送中。
回を重ねるほどに調査も深くなっていきまして、今回も老舗店には一軒一軒の勢いでお尋ねして昔のお写真を提供して頂きました。
(放送期限の都合でまだまだ聞き取り調査したい店がありましたが間に合わず…。)
皆さん、番組の趣旨を伝えると快く写真や資料を提供してくださいました。
感謝の気持ちでいっぱいです。
今回の取材を通じて、私が思ったのは「商店街のお店って誰のものか?」ってことです。
書類上は店主さんの物であり、土地は大家さんの物なのは当然なのですが、あれほどの時間 市民が親しんだ通りに存在しているわけです。
「これはもう、山口市民みんなのものじゃね?」という変な錯覚に陥りました。
商店街のお店の歴史は、地元で育った私たちの人生の舞台になっていることも多く、お店の昔の看板を見るだけでも 当時の音やにおいや出来事、友人との会話などがよみがえります。
私という人間を作り上げたいろいろな1ページの中に強く入り込んでいます。
きっとたくさんの皆さんも同じだと思います。
だから極論を申すなら「そのお店、もはやあなたのものだけじゃないよ。」と。
(いあまぁ…あなたの物なんですけど…。)
…何を書いてるかよくわからないですね。
ああ、僕も自分の気持ちが文章で表せないのがもどかしい。
ほとんどのお店は新装開店の時や家族が増えたりとかのタイミングで、店先できれいなお写真を撮っています。
これって 私の家でも同じなんです。
松田家でもよく玄関先で撮った家族の集合写真が残っているんですけど、まあ他の人はマジで興味ないですよね。
誰が私のじいちゃんの顔や昔の我が家の写真なんて見たいでしょうか。
普通の家のアルバムなんて、その一家だけの物です。
それが商店街のお店の写真となると、これは全く異なる意味を持ちます。
あるお店の家族写真はその一家にだけ貴重なわけではなく、山口市民にとっても意味を持ちます。
「ああこのお店の佇まい懐かしい!」
「この店の大判焼き覚えてる!」
「隣にあったお店で買い物した!」
私は見せて頂いた写真で感涙にむせぶのです。
他人の家の写真によってこうも心を揺さぶられるなんて、考えたらおかしいことですよね。
だから商店街でお店を持つ家族のアルバムはイコール山口市民の歴史的財産でもあるともいえるのです。
まるで松下村塾が吉田松陰の子孫だけの所有物でないのと同じように。
そうは言っても個人情報がうるさい時代です。
「我が家の写真なんか見せないよ」というお店があって当たり前です。
しかしそこは皆さんわかっていらっしゃる。
「皆さんが懐かしんでもらえるなら」
と快くアルバムを開いてくださいました。
これは商店街のそれぞれのお店が山口のメインストリートに店を構えてきた誇り・覚悟をお持ちだからに他なりません。
自分の家(店)の歴史は山口市の歴史の一端である。
山口の市民の皆さんとともに生きてきた一族なのだと。
今回の番組で皆さんの思い出の1ページ探しませんか?
道場門前のお店の方々が、郷愁のひとときに協力してくださいました。
そして贅沢を言えば昔を懐かしんだ後、少しでも商店街について考えてみませんか?
久しぶりに歩いてみませんか?
良いものに出会えば、買い物してみませんか?
そうすればきっと今日の出来事も10年後、20年後、また懐かしい思い出として人生の1ページを彩ってくれるはずです。
商店街ループです。
私の人生のいろんなページにアーケードは存在していてほしい!
商店街大好き!!愛してる!
私はこういう思いでいっぱいなのであります!!
ディレクター 松田大輔