大正12年生の上品さ
04月10日
今週の放送で私の祖母の写真を載せました。
少々公私混同がすぎるかと迷いましたが、回天記念館を訪れて、自分が一番初めに思ったのが回天の搭乗員の方と同世代のおばあちゃんだったので勝手ながら載せさせていただきました。
一度載せてしまえば二度目もいいだろうということで、今度はブログにも載せます。
今日はおばあちゃんについて書きますね。なんかすみません。
これは先月、萩の椿まつりに行った時に撮った写真なのですが、おばあちゃんは91歳で今もとても元気です。
その元気の秘訣は何かと考えるとぼくは「上品さ」ではなかろうかと思ったのでした。
もともと祖母は僕のようなガサツな人間とは異なり、立居振舞に気品というか上品なところがある人です。
91歳の今でも口に手を当てて笑いますし、洋服にも気を使います。
お礼の電話もまめにしますし、ご飯が多くて食べれないときは、僕に箸をつけていない部分を「食べてくれない?」と渡します。
僕が小さいころは、「”おなら”したくなったらトイレ行きなさい」と注意されました。
そんな上品なおばあちゃんが帰りの車でサイダーを飲みたいというので缶のサイダーを買って渡しました。
なんでも「最近サイダーが好き」なのだそうです。
しばらくして、ふと、おばあちゃんを見るとと何とも変わった飲み方をしているのが気になりました。
おばあちゃんは口が小さいので少しずつ飲むんですが、一口飲むごとに缶のプルタブを逆方向に戻すのです。
一口飲むとこのようにして、車のドリンクホルダーに置き、また飲むときはまたプルタブを起こして、また一口飲むのです。
なんでこんなことするのか帰りの車でずーっと考えました。
そんで佐々並くらいまで来た頃、一つの結論にたどり着きました。
おばあちゃんは「私が口つけたサイダーですよ」「今は飲む気はないけどまた飲みます」のサインをだしていたのではなかろうかと。
同乗者は僕一人なので、僕がおばあちゃんのサイダーを間違って飲むことはないんですが、おばあちゃんのいつも心がけている礼儀作法がでたのでしょう。
なんだかかわいらしくなっちゃって、おばあちゃんがサイダーを飲むのを眺めながら幸せな日曜日を過ごしました。って言う話。
※ちなみにサイダーの缶、最終的にはこうなりました。
あれから、「サイダー飲まないときはプルタブを戻す」って何かの礼儀作法にあったっけ?と調べてもでてきません。
おばあちゃん流の上品なサイダーの飲み方、こんど何でプルタブ戻すのか本人に聞いてみようと思います。
ディレクター 松田大輔