祝!復活!
06月26日
サザンですよ!うれしいなあ。復活!
サザンオールスターズの曲を聞くと、人それぞれにいろいろな思い出がよみがえることでしょう。
僕はサザンを聞くと決まって昔行ったコンサートと先輩のディレクターのことを思い出します。
僕がまだ新人で大阪で働いていた頃。
一回り以上 年のちがう先輩ディレクターに神戸のポートアイランドで開かれるサザンオールスターズのコンサートに連れて行ってもらうことになりました。
当時お金がなかったので、チケット代はその先輩ディレクターが立て替えてくれました。
サザンは好きだったんですが、その頃全く休みがなかったので、「せっかくなら家でゆっくりしたいです!」
と言おうとも思いましたが、徒弟制度のような厳しい間柄で100%却下されるのが分かってましたので、半ばいやいや行くことになりました。
会場はものすごい人数が来ていてうんざりでしたが、いよいよコンサートが始まるとテンションも上がり、
一緒に行った誰よりも盛り上がってしまいました。
豆粒ほどの大きさでしたが、ちょっと向こうで桑田さんが歌っているのですからうれしいですよねぇ。
もう盛り上がちゃって、グッズ売り場を物欲しそうな顔して歩いてるとその先輩ディレクターが
「松ぅ!金ないんなら好きなの買ってやるわ!」と言ってくれました。
「え~!いいんですか!?」と、サザンのTシャツからバッグやら帽子やら、あらゆるグッズをこれでもかと買ってもらいました。
以来、ことあるたびにその先輩は
「松ぅ!サザンのチケットとグッズ代2万円はよ返せよ!」と言うのが口癖.
「すいません。来月こそは!」と言うと「嘘つけ!」と笑って返すというのが恒例のパターンでした。
その先輩ディレクターはとても面白い人で、作るVTRは秀逸で、会議での発言も発想力もすべてが
輝いて見えていました。
「揶揄の中にも必ず愛があって、笑いに持っていく」のがその先輩流で、よく叱られていましたが、たくさんのことを教えて頂きました。
素敵な上司に巡り合えたと今でも思っております。
時は流れてサザンのコンサートから6年後.
ぼくはその会社を退社して山口へ帰ることになりました。
その先輩に殴られるのを覚悟して辞めることを告げると
「お前にはいろいろ時間もかけて、教えてやったつもりやったのにがっかりや!」
残念そうに言われました。
実際にいろいろなこと教えていただいたのに、恩返しもせずに会社を辞めてしまうわけで、本当に申し訳なく思いました。
以来なんだか気まずくなって、その先輩とあまり会話もせずに日が過ぎていきました。
そして退社の日。外で最後のロケをして18時。
終業の時刻とともに電話が鳴りました。その先輩からです。
「いままでどうもお疲れ様。次の仕事でも頑張れよ!」
あまりほめてくれなかったその先輩にそう言われたので涙が出そうになりました。
そして最後に
「サザンの2万はよ返せよ!」
こういって電話を切られました。
あれからずいぶん立ちますが、まだ2万円返していません。
久しぶりに先輩に電話でもしてみようかな!
昨日サザンが復活するって聞いてふとこんなことを思い出しました。
なんやそれ!
ディレクター 松田大輔