鼻毛カッター買いました。
05月28日
スケベな人は髪の毛が伸びるのが早いといいますが、平均よりスケベな私は髪の毛だけでなく鼻毛の伸びも人より早く、これまでに何度も鼻毛が出ていることを指摘されて生きてきました。
たいていの恥ずかしいことはへっちゃらになっているのですが、飛び出た鼻毛を指摘されることはさすがに恥ずかしく、自分の情けなさを反省するのです。
最近では時折、その鼻毛の林の中に白いものが見受けられるようになり、その白いものが飛び出ているのに気が付いたときなんて、誰にも見られていなかったかキョロキョロ周りを見渡すなんてことしばしばです。
まあ、自分なりに分析をしますと、僕は背が高いほうで人と接するとき自然と見上げられる格好になることが多いのです。その時下向きに開いている鼻孔から毛が見えるのは当然なわけで、つまり、身長の高さと持ち前のスケベのせいで私の鼻毛は人よりも目立っているのです。(僕より背がたかくて、もっとスケベな人ご注意くださいね。)
身長もスケベももはやどうすることもできませんので、飛び出す鼻毛をどうにかしようと文明の利器に頼ることにしました。
そうです。「鼻毛カッター」です。
これを使い始めてからというもの、僕の鼻の中から毛という毛は排除され、どんなに鼻孔を覗き込まれようとも鼻毛で恥をかくことも減り、なんだか自信をもって生きていけるようになりました。
自然と背筋は伸び、挙動不審だった行動は一新され、目は輝きをまし、仕事もバリバリ、プライベートも充実し、キャバクラではモテまくり、札束で埋まったの浴槽につかるほどの幸せな日々をゲットしたのです。(※使用者の感想です。効果や効能を保証するものではありません。)
神様!仏様!鼻毛カッター様!いつもそう心で唱えて生きていました。
しかしながらここ数日、そんな私の守り神であらせられる「鼻毛カッター」の調子が悪くなり、とうとう動かなくなりました。切っても切っても生えてくる鼻毛に一人挑んでいた猛将にも最期の日が来たのです。
涙をこらえながらも、守り神をしっかりと弔い、さっそく、二代目守り神を我が家にお迎えしようとホームセンターへ足を運びました。わざわざ代休をとって。
「すいません!鼻毛カッターありますか?」店員さんにそう聞けるほど図太い神経を持ち合わせない私は独力で広いホームセンターの中を探すことにしました。
まずは男性用整髪料などが並ぶ陳列棚を探します。守り神と同じ一族のジレットやシックなどの髭剃りはありますが守り神の姿はありません。
続いて電動歯ブラシやドライヤーが並ぶの電気コーナーを探します。守り神も電動ですのでここかと思いきやここにもございません。
しかたない、可能性は低いけど、電動くくりで電動ドライバーなどの工具の近くに鎮座されていないか、確認に走りましたがここにもなし。
どんなに探しても鼻毛カッターの姿は見つかりませんでした。
あんなに一人で暗い鼻の穴で、何千何万の毛をなぎ倒してきた猛将がこの扱いか!!
「鼻毛カッターのないホームセンターのどこがホームセンターじゃ!!!」怒りを含みながら店を出ようとしたその時です。
ついに私は守り神を発見したのです。
それは商品が並ぶ場所からレジを挟んだ反対側。
つまり入り口を入ってすぐ横にある表札や合鍵を取り扱う場所。佐藤や山本などと書かれた表札の並ぶガラスケース横の棚にぶら下がる形で鼻毛カッターは陳列してあったのです。
そうだったのです。鼻毛カッターはもはや電動歯ブラシや洗面用品のジャンルではなく、一軒の家を代表する表札や鍵と同類に分類されていたのです。
家を建てた人間が最初に訪れる表札や合鍵売り場。そこに鼻毛カッターは置いてあったのです。
さすがホームセンターです。ホームの中での優先順位を遵守しているのです。「家を建てたらまず表札。次に合い鍵つくって、その次に鼻毛カッター買いなさい!」というメッセージにほかなりません。
ホームセンターの粋な計らいに私は拍手を送りました。
新しく守り神になってくれる鼻毛カッターは先端部を変えると眉毛をととのえることができたり、顔の産毛を剃ってくれたり、耳毛を切ることもできる、優れものです。
二代目鼻毛カッター様。
今日から鼻毛だけではなく、眉毛も産毛も、そしてまだ伸びてきていませんんが将来生えるであろう、耳毛の世話まで宜しくお願いいたします。
(左:初代鼻毛カッター /右:二代目鼻毛カッター)
鼻毛ディレクター 松田大輔