雑談と滝カード20枚目。
07月29日
おはようございます。
昨日実家に帰った際、母のことで少々びっくりしたことがあったのでこっそり報告をしようと思います。
まず、うちの家のことを少し説明しておきますね。
もともと、うちの家は外食をする機会がほとんどありませんでした。
家族そろって外に食べに行くのは僕が生まれてからの40年間で数えるほど。
誕生日などのお祝い事も、家の中ですべて母の手料理やスーパーの総菜でやりくりしてきました。
我が家はそういう風土なのです。
「別に外に出なくていいじゃん」という出不精な父。
「食べ物なんてお腹が膨れればいいじゃん」という食にあまり興味のない母。
この2つの思想が重なり合ったとき、街にある無数の飲食店の一切が松田家の視界から消えたのです。
「家庭的で幸せじゃん」と思われるかもしれませんが、何事も極端になると弊害が生じます。
私が実家を出て以来、食べ歩きが趣味なのは多分この反動ですし、何より外食をするのは世の中の常識やマナーを身に着けること・社会の流行を知ることにつながります。
初めてスターバックスに入って頼み方がわからなくても、2回目からは新しい世界の飲み物を楽しむことができる。
そこに文化が生まれ、流行が生まれ、現代を生きる私たちの常識になっていくのです。
ここ数十年でハンバーガーが日本人の食を席巻し、寿司は回転を始め、ナタデココ・パンケーキ・タピオカ…など数えきれない外来の食べ物がやってまいりました。
このような食の”黒船”から一切目をそむけ、食の”鎖国”を貫いてきた松田家。
仕事などで外食する機会が少しはあった父は若干の”開港”を済ませておりましたが、問題は母です。
黒船も維新もどこ吹く風。
未だにちょんまげ生やしまくり、刀さしまくり。
時代から取り残された”食のラストサムライ”になっていたのです。
そんな母にどのようなことが起きたか。
数年前、父と母が引っ越しをすることになり「引っ越しそばを食べよう」と3人で蕎麦屋に入りました。
もちろん家族で蕎麦屋に入るのは初めてでした。
母が何したと思います?
あのラストサムライはざるそばの上に薬味とつゆをぶっかけたんですよ。
それを混ぜて食べようとする母に私はやさしくこう話しました。
「母さん、まずつゆに薬味を入れて、そこに蕎麦を一口ずつ浸けて食べるんだよ」
ラストサムライは腹に入れば同じでしょ的な顔をしながら「へえ、そうなんだ。」と言ってました。
仮にタイムマシンがあったとして、江戸時代の人が現在に来ても、ざるそばは普通に食べれると思います。
多分母は初めての蕎麦屋に緊張していたのでしょう。
私はそう思うことにしました。
そして昨日のこと。
実家に行くと母がこう話しかけてきたのです。
「いくらドリンクバーだからってコーヒー2杯も飲んだらダメだよねー!?」
私ははじめ何を言っているのかわからず、父に話を聞くと、どうやら先日、父と母と私の妹の3人でファミレスに行ったそうです。
(これも初めて。)
そこで3人はドリンクバーを頼みました。
妹が2杯目のコーヒーを注ぎに席を立つと、母が妹に注意をしたそうです。
「あんたそんな勝手に飲んだらいけんよ!お金取られるよ!」
私はショックでした。
母はここまでラストサムライだったのかと。
明治はじめならいざ知らず、昭和になってもまだちょんまげ生やしているほどのラストサムライぶりです。
まさかドリンクバーのルールを説明しないといけないなんて想像しませんでした。
「お母さん、ドリンクバーっていうのは”飲み放題”ってことなんだよ。何杯飲んでも値段は一緒だよ。」
「はぁ?そんなことしたらお店が損するじゃないの!」
「いや、そんなに1人で何杯も飲めないでしょ。お店側もちゃんと原価を計算してるから大丈夫だよ。」
「ほんと?そんなことメニューにもどこにも書いてなかったよ!」
「書かなくてもわかるくらい常識なんだよ。でも水筒持って行ってそれに注いで帰るのはだめだよ」
「へぇ~なるほどねー。」
ドリンクバーの他にもサラダバーやスープバーというのもあるよと付け加えました。
そして「ドリンクバー」を練習するため、昨日は私と父と母でもう一度ファミレスに行きました。
店員の呼び方がわからなそうだったので、ボタンを押すことを教えました。
母はピザを頼み、抹茶オレを2杯飲みました。
「美味しい美味しい」と感動していました。
「今度友達が来たら連れて行ってあげよう!」と言っていました。
多分友達全員、ファミレスに何の珍しさもないよ。
と思いましたが、嬉しそうだったので黙っておくことにしました。
これからは僕が父と母をいろんなところに連れて行ってあげようと思いました。
…っていう話。
さて、滝カード20枚目は8月1日(木)から配布開始。
郵送の方は8月7日(水)以降に19枚目と一緒に配送します。
また滝遠足ツアーの申し込みは今月いっぱいの受付。
たくさんの応募が既にあり、駐車場の数やスタッフの数などを考えて、抽選にするかどうかを考えます。
エントリーはお早めに!!
ディレクター 松田大輔