私の尊敬する番組制作者
10月30日
今週は先週と同じ「ちかば百選のたび」をお送りしております。
ちかばカードも引き続き募集していますので是非!
会社に取りに来られてもOK。上記メールフォームからの申し込みもOKです。
今週もそうなのですが、しばらくにんげんのGO!は隔週の更新が続いております。
本来は毎週更新が当たり前なんですが、どうしても私の編集のスピードが遅いことや、他にやる仕事もありましてね…。
(言い訳💦)
楽しみにしてくださっている視聴者の皆さんには申し訳ないと思っています。
最近はそんな後ろめたさがずっとありまして、私の近くにいる2人の同業の先輩の背中をふとかっこいいなと思ったんです。
今日はちょっと雑談にお付き合いください。
(雑談してる暇があれば番組を更新しろよ!とは言わないで…。)
◆かっこいいと思う同業の先輩の1人目は吉永達哉さんです。
レノファがお好きな方はご存じですよね。
このお方、週に2本も番組を作っているんです。
tysの「レノファスクエア」と言う番組、そして山口ケーブルで10月から始まった「やまぐちアスリートファイル」という番組。
応援番組「レノファスクエア」 | レノファ山口FC (renofa.com)
新番組「やまぐちアスリートファイル」 | 山口ケーブルビジョン株式会社|公式企業サイト (c-able.co.jp)
私がにんげんのGO!を週に1本もまともに作れないのに、吉永さんは週更新の番組を2つも作っている事実。
おまけにレノファの試合では遠くアウエーの試合にもでかけてるし、私はどういうスケジュールで動いているのかいまだに信じられません。
先日お会いしたときに、私たまらず尋ねましたよ。
「せめてどちらかの番組は隔週でよいのではないですか?体がもちませんよ」と。
すると吉永さんは
「普通テレビは1週間で切り替わるから、視聴者の方はそういうリズムで生活してるでしょう。だから大変だけど毎週作ってるんだよ」と。
私はテレビっ子でしたから、「今週の続きが気になる!来週が来るのが楽しみだ!」っていう番組がいっぱいありました。
自分もそういう番組を作りたいと思ってこの世界に入りました。
しかし、実際に自分が番組を作る側にまわると、20分の番組ですら毎週コンスタントに作るのがとてもきついわけです。
編集をしながら、次のロケの準備をし、来週以降の段取り・打合せもしないといけない。
次第に少しだけ更新頻度を落とそうか…となるわけですね。
私が今まさにそういう状況だったのですが、わたしより一回りも年上の吉永さんはいまだにこういう気持ちをもってやっている。
これは本当に見習わなくてなならない(というか、もう一回思い出さなくては!)と思いました。
◆そして2人目は久保田修治さんです。
久保田さんも同様に毎週1本「往還道をあるいて見た」という番組をひとりで出演&制作して、県内数局に提供されています。
過去に作られた「山陽DO?」は再放送で放送中です。
【再放送】山陽Do? | 山口ケーブルビジョン株式会社|公式企業サイト (c-able.co.jp)
8月ににんげんのGO!で初めてコラボさせていただきましたが、この時にいろいろとお話を聞きました。
吉永さんと同様にとても手間のかかる番組の作り方です。
久保田さんが作るのは歴史・散策番組なので、ロケをする以前に入念な下調べが必要なんですね。
編集の合間に図書館に通い、資料を探し文書を読み込む。
そして街道筋を実際に歩いて下見をする。
山陽道をテーマに作られたときは 何とその終点の兵庫県にまで足を運び番組を作っておられました。
そんな工程を経て、台本を書いて、いざ本番のロケなんですが、驚くべきはその撮影スタイル。
何と久保田さんの番組にはカメラマンが不在なのです。(出演者は今は久保田さん一人)
三脚の上に置いたカメラを地面に立てると、自分自身は少し引き返し、カメラの方向へ一人しゃべりながら歩きカメラを通り過ごします。
するとそそくさとカメラを取りに行き、スイッチをオフ。再び少し先へカメラを置きに行く…。
まるで尺取り虫のような、異様なスタイルで街道筋を歩いて番組をつくってらっしゃいます。
当然途方もない時間と手間がかかります。
私の場合、ロケの日はカメラマンや出演者がそばにいてくれて、協力体制を築けています。
私にとって欠かすことのできない大切な仲間で、精神的にも労力的にも本当に心強いわけです。
ところが久保田さんの場合、番組の入口から出口までずっと一人…。
たった一人で遠くは兵庫県までカメラと三脚を抱えて出かけて行って、三脚立てては少し引き返してまた歩く…。
その労力・孤独感たるや…。
私にとってもはや同じ番組制作者と言うよりは、どっちかと言えば伊能忠敬を見てるような、そんな感覚です。
とてもじゃないけどマネできる芸当ではございません。
◆以上、吉永さんと久保田さん、そんな2人の番組制作スタイルに私はとても共感し、尊敬しているのです。
例えば都会で華やかな番組を作りながら、どこかのキャバクラあたりでウハウハ言っているようなディレクターがいますよね。
そういう人たちなんかとは同じような仕事といえど、全く世界が違うのです。
世のキャバクラ嬢がすべてそちらのイケてるディレクターの水割りをかき混ぜようとも、私だけは、お二人の水割りをかき混ぜさせていただきます。
お二人のグラスとコースターが引っ付かないように、私がたえずグラスの水滴を拭き取らせていただきます。
お二人がカラオケを歌われたなら、私が本気でマラカスを振り、膝が赤くなるまでタンバリンを打ち付けようと思います。
お二人が帰られた後、私はしばらくエレベーターの前で頭を下げようと思います。
「おれはあの有名人と友達だ」「こないだ俺、海外ロケをしたぞ!」「今度○○を連れてくるよ!」
お二人はそういう薄っぺらいディレクターとは雲泥の差なのです。
「スポーツの面白さを伝えたい!レノファのファンになってもらいたい!」
「普段歩いている道沿いに今も息づいている故郷の歴史を伝えたい!」
そんな思いを胸に秘め、ただひたすらに毎週毎週、当たり前のように自分の仕事をされているのです。
私もそんなお二人の背中を見ながら、良質の番組をなるべく頻繁にお届けできるように頑張ろうと思います。
(なのに、隔週更新しかできない自分が情けないのですが…。)
◆さて、先週の話。
「往還道をあるいて見た」が急に休止になるというお知らせを聞きました。
現在は石州街道を山口市の途中まで歩いたところでした。
あんなに強い思いがあり、一人で三脚を抱え、兵庫県まで行った久保田さんが、こんな中途半端なところで休むなんてありえません。
びっくりして久保田さんにお電話をすると少々体調を崩されたとこのこと。
少しずつ元気にはなっているけど、今はまだ毎週番組を作ることがむつかしいそうです。
40代の私ですら大変なのだから60代の久保田さんには当たり前の話です。
「早く元気になって番組作りをしたい」と話しておられましたが、今はゆっくりとされてください。
そしてまた、改めて再び楽しい番組を見せていただきたいと思っています。
きっとたくさんの視聴者さんも待ちわびているはずです。
あんなに一歩一歩あるいて、番組を作られてきたのですから。
ディレクターのはしくれとして陰ながら応援しております!
久保田さん!ゆっくりと頑張ってください!!
それでいて無理はせず(^^)/
演出 松田