白滝はきれいでしたが、若い頃の倍賞千恵子もきれいだった。
01月20日
昨年末、「男はつらいよ 50 ~おかえり寅さん」を見に行ってきました。
男はつらいよシリーズについては当然知ってはいましたが、恥ずかしながらちゃんと見るのは初めてでした。
というのも前作の男はつらいよ(49作目)が制作されたのは、1997年で今から23年も前。
私はまだ高校生でした。
勉強もしないといけない、友達のことや好きな女の子のことで頭がいっぱいだ。
誰がそんなおじさん(おじいさん)が主人公の映画など見ようと思うでしょうか。
(失礼ですね…(-_-;))
その後、渥美清さんが亡くなり、国民栄誉賞を受賞されました。
当時、そのニュースはワイドショーなどで知り、追悼特集で映画などがバンバンテレビでも流れていましたがもちろんスルー。
スルーというより、日々流れてくるニュースのただの一項目というだけ。
今でいうと「若者にタピオカが流行っている」というニュースに接するような、「私には関係ないや」感でしかございませんでした。
あれから23年。
男はつらいよが制作されていない”空白期間”に私は高校・大学を出て、就職をし、離職も転職もし、結婚をし、人並みに人生の節目を歩んできました。
その上で見た「男はつらいよ」はこれでもかと心に沁みたのです。
「男はつらいよ」が制作を休んでいた間、寅さんの背中が見える距離に、私の方から歩み寄って行ったのです。
仮に23年前に私が男はつらいよを見たとしてもきっと今のようには感じなかったでしょう。
この映画は、見る人の経験値やテンションによって感じ方が変わります。
ストーリーは普遍的でどのシリーズも根本が変わらないからこそ、安心してみることができる。
自分がいかに変化しようとも、必ず変わらずにそこにあるもの。
この映画が広く国民に愛される理由はそんなとこにあると思います。
今回のシリーズは寅さんの甥・満男(吉岡秀隆)の目線で描かれていて、これまでの作品の名場面が断片的に流れました。
バックに映る看板や黒電話、ファッションや言葉遣いなどに歴史の流れを感じ、今は亡きおいちゃんやおばちゃん、タコ社長、数々のマドンナの過去の映像は車寅次郎という人物のドキュメンタリーのようでもありました。
今では失われた人情、文化、そして車寅次郎という人間に郷愁を誘われ引き込まれます。
もっと上の世代ではもっとその度合いが強いと思います。
いわゆる「メロン騒動」のエピソードなんて泣いちゃいますもんね。
なんなんでしょうね。おかしい話なのにね。
私は満男世代(の少し下)なのですが、確かに昔はああいう人たちが周りにいました。
文明の進化や○○ハラとか個人情報とかいう新語の誕生は、生活を確かに楽にはしてくれましたが、これまでの人たちが築いてきた大切な何かを失ってしまったのではないか。
そんなことをこの映画を見て改めて感じました。
家に帰って、ネットフィリックスで過去の寅さんシリーズを見返したんですが、一種のパラドックスですよね。
郷愁を感じたい、寅さんに会いたい、そのためには(ある意味過去を追いやった)文明の利器を使ってそれを実現している。
「男はつらいよが4Kデジタル版」なんて、確かにうれしいことではありますが、もう何が何やらという部分もあります。
このような話は私より上の世代には言わずもがなですので、若者の戯言としてお聞きください。
また本編と関係ないことを書きましたが、これもお許しを(笑)。
今週のにんげんのGO!は美しい滝が出てきます。下関市の白滝です。
もう寅さんのこと書いたらなんかすっきりしたので本編の話はまた今度。ははは!
【滝カード弊社発行予定日】
1/20(月)~「#26 鼓の滝」(先週放送分)
1/27(月)~「#27 白滝」 (今週放送分)
2/3 (月)~「#28 しゃみせん滝」(来週放送分)
※3週連続発行の予定です。
郵送希望の方はどれか一回応募された時点で、3枚まとめてお送りします。
3回その都度感想を頂けると私たちはうれしいですが(^^)/
ディレクター 松田