先週の反響と今週の放送
02月03日
まず先週の放送の反響から。
なかなか好評で何人かの方から「今までの滝で一番面白い回だった」という声を頂きました。
何人かが一様に一番面白いとコメントをくださったので、良かったのでしょう。
私たちは一番しんどかったんですけど。
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その三味線滝のロケの時の話。
滝に行くまでの私の心境はこうです。
「しんどい」「やばい」「どさけんさんの膝、大丈夫かな」
「冨永さん大丈夫かな」「長谷川さんは大丈夫かな」
厳しいのは帰り道。ずっとキツイ登り道ですから。
私はいわゆる第3グループで冨永さんと長谷川さんに付き添いました。
当時の私の心境を思い出しながら記します。
「いや、冨永さんだいぶきてるな」「長谷川さんもやばいな…。」
「藤田さんもへとへとだ。」
「どさけんさん見えなくなったなぁ。」
「おっ、冨永さん。こりゃだいぶ息上がってるな。」
「長谷川さんより冨永さんのほうがやばいな…。大丈夫かな?」
「あれ?冨永さん座って休もうとしないな。」
「そういえばマダニが怖いからお尻を地面につけないんだってこないだ言ってたな。」
「だから膝だけ地面につけて土下座体勢で休んでるんだな。」
「膝にはサポーター着けてるからOKなんだろうなぁ。」
「でも今、そんな場合じゃねえよ。」
「優先順位の付け方がおかしいよ。」
「普段ならいいよ。マダニのこと気にするのはさ。」
「でも今は非常事態じゃねえかよ。」
「マダニに刺される前にヘロヘロで死んじゃいそうじゃねえかよ!」
「そして暑いんだろうな。汗びっしょりだ。」
「川の水でタオルを冷やしたら気持ちいいですよって言おうかな。」
「いやだめだだめだ。」
「どうせ大腸菌がどうのとか言うぞ。」
「だいたい人の言うことなんか全然聞かないんだよ。」
「お昼もちゃんと食べた方がいいですよって言ったのに。」
「いつもウイダーインゼリーしか食べないしさ。」
「休みましょうって言ってもボクは大丈夫って言うんだろうな」
「絶対大丈夫じゃねえのに。」
「最悪、俺がおんぶだな。」
「でも自分で歩くって言うんだろうな。」
「困ったなぁ。」
「前のやつら戻ってきておくれよ!」
…と思っておりました。
本当は自分のことで精いっぱいなのですが、私は現場の責任者でもあるので、ロケを安全に終わらせないといけません。
ですから最後に冨永長谷川コンビがゴールした時にはどんなにほっとしたか。
こういう時はもうテレビとかどうでもよいんですね。元気であれさえすれば。
ちなみに冨永さんはゴールしたらウソのように元気になりました。
僕より早く元気になりました。
少し休んだら回復するんだと言っていました。
ここまでがロケの日のお話。
年が明けて、いざ編集となると今度は「画がないな。悔しい。」と思うんですね。
ここからはディレクターの自分になるのです。
「なんであの時おれはカメラを回してなかったんだ!」
自分への責めがひとしきり終わるとイライラは他人へ向けられます。
「だいたい若いあいつら、俺らを何で置いて帰るんだ!元気ならカメラ回してくれ!」
「冨永さんも長谷川さんも確かに年かもしれん。ただ日ごろの運動不足や!」
「だいたい藤田さんも藤田さんだ!何でこんな所に連れてきたんだよ!」
人間って愚かですよね。今ではあの時の辛さをすっかり忘れてます。
現実的に映像がないと困るので、当時どんなことを思っていたのかを皆さんにインタビューすることにしました。
撮影はあれから4か月後の1月21日に行いました。
まずは辛かった後ろのグループから撮影。
◆どさけんさんは自分の現状報告と当時の若手メンバーへの不満を赤裸々に語ってくれました。
「殺意」「ヤってやると思った」という最大級の不満の声を発しました。
◆長谷川さんは人間ができています。
他の人への不満というよりはしんどかった思いと迷惑をかけたことへの謝罪。
いやあ、優しい男です。
次にメンバーを見捨て、先に帰った若手グループのインタビュー。
◆わだりえさんはなぜ自分たちが先に帰ったのかを説明してくれました。
筋は通っていました。それはそれで思いがあったのでしょう。
ただ良心の呵責もあったようです。
「人間、最後は自分がかわいい」という究極のコメントが出ました。
私はわださんの正直な感想に心を打たれました。
しかし、どさけんさんのことに話が及ぶと、今までこらえていた感情が抑えられなくなったんですね。
彼女は吹き出して、思い出し笑いを始めました。
「笑っては失礼」だという感情でいっぱいだった風船が「どさけん」「ガードレール」という言葉ではじけてしまったのです。
わださんはとても人間的だと思いました。
◆一方、岡藤君はある意味ドライでした。「悪かった」という感情が希薄なのです。
先に帰った自分を優越感をもって「気持ちよかった」「もう一回行きたいですね」とニヤニヤしながら答えました。
「あの人たちは何で怒っているの?」
若さゆえなのか、先天的に嫌なやつなのかはわかりませんが、唯一、ゴール後の記録映像が残っているのは彼のおかげです。
彼がふざけていたおかげで、どさけんさんの「必死の生還」が「道路に寝てる変なおじさん」となり、シリアスが笑い変化しました。
そういう意味では一番テレビ向きだったのかもしれません。
いろいろ考えさせられる滝でしたがつらい滝=面白いという方程式が成立すると自分たちの首をしめるので、今度は簡単な滝でもどうにか面白くする方法を考えようと思います。
改めてたくさんの反響をありがとうございました。
ここまでが先週の話で、今週は特別企画として防府市春日神社の大寒みそぎに行ってまいりました。
どさけん・わだりえ・おかふじの3人が禊を経験しました。
岡藤君には黙ってみそぎを体験してもらいました。
どさけんさんの恨みも少しは晴れたかな(笑)
どうぞご視聴くださいませ。
詳しくはまた今度書きます。
ディレクター 松田大輔