仕事だから?好きだから?
01月11日
おはようございます。1月11日(金)です。
今週も先週と同じもの(鹿児島の滝編①)が流れておりますがご容赦ください。
私が正月にお雑煮を食べたり、親戚のちびっこにお年玉をあげたり、初詣に行ったり、ごろごろする時間を設けたための措置です。
ご迷惑をおかけしております(汗)
年が明けて良記事に出会いましたのでご紹介します(^^♪
まぁ、宇部マニさんの記事なんですけどね(笑)
http://ubemaniacs.main.jp/building/izutsuya_lastday.htm
昨年の12月31日に宇部の井筒屋が閉店し、その日の動向を追った記事です。
私が感心するのは、彼が別に誰に雇われたわけでもなく、ただただ「故郷宇部市の歴史にとっての分岐点だからその瞬間を見届けたい」、そして「宇部市を愛する多くの人にこの出来事を伝えたい」という動機だけで行動している点です。
貴重な大みそかの時間を割いて取材をし、記事を書くというのは並大抵の思いではできません。
正月休みを取って新年1発目の放送を2週間流そうと試みた私とは大違いであります(汗)
ちなみに私が地元を取材するのは、それが仕事だからです。
もちろん地元が大好きで、大きな動機にはなっていますが、根本的には給料をもらえるからこその行動です。
仕事ですから、時に興味のない場所に行くこともあります。当たり前のことですし、不満でもありません。
そんな時は無理矢理に自分の好奇心を喚起して、「私は今から興味深い場所に取材に行くのだ」と自己暗示をかけることにしています。
最近では自己暗示をかけすぎて、歴史・文化・食・ヒト…あらゆる山口県のことが気になって仕方ありません。
一方の宇部マニアックスさん。この人は興味のあることに対してのみ純粋でまっすぐです。
取材中は(私も見たことがありますが)周りのことが見えなくなります(笑)
ただし出来上がった記事となると、事実を的確に伝えながら、宇部に対する思いや個人的なエピソードをちょうどよいバランスで配置しています。
全体的には俯瞰的な目線でとても読みやすいのです。取材中はあんなに周りが見えていないくせに……です。
普通、彼のように取材対象に思いが強すぎる場合、文章に気持ちが乗りすぎて、客観性を欠いたり読者をしらけさせたりすることが多いのですが、そのようなことがありません。
この宇部井筒屋閉店の記事もそうでした。取材中はきっと心に響くものがあったにも関わらず、よく周りを観察し、それが伝わってきました。
私はどうも情緒で文章を書くきらいがあるので大いに見習いたいと思っています。
宇部井筒屋閉店のニュースについては、紅白や箱根駅伝などの年末年始の膨大なイベントに紛れて、まだちゃんと消化・理解できていない方も多いのではありませんか?
どうぞ宇部マニさんの記事で最終日のドキュメントを読んでいただければと思います。
同じ宇部井筒屋閉店の新聞記事との違いを比べながら読んでみると面白いですよ!
新聞記者が書く記事に比べると、店長名など固有名詞もでてきませんし、機材も小さなデジカメですし、取材力という面では及んでいないのかもしれません。
しかしながら、職業記者が「仕事だから」と自己暗示をかけて取材するものと、フリーランスでありながらも「好きだから」として取材したものはまるで異なります。
世の中の全部のニュースがこういう「好きな人」が書く記事であるなら楽しいのに。私はそんなことを思いました。
宇部井筒屋の皆さんにもお疲れ様と伝えたいです。
14日からは番組更新しますのでよろしくです。
ディレクター 松田