アーケードヒストリー中市編 放送中
08月18日
おはようございます。お盆はいかがでしたか?
私は初めてプライベートで滝に行きましたよ。
仁保の犬鳴の滝です。
夏の避暑地にはもってこい!おすすめです。
歩く距離とご褒美(滝の迫力)が絶妙のバランス!
お時間がある方はどうぞ行ってみてください!!
(←犬鳴の滝)
すこし足を延ばされるなら白滝(豊北町)がおすすめですよ。
滝壺の透明感がヤバいです。
さて、今週も引き続きアーケードヒストリー・中市商店街編(その①)をお送りしています。
懐かしい話が盛りだくさんです。
いつも通り放送に至るまでにたくさんの方にお話を聞きましたが、ここでは番組に入りきらなかったものを。
今回の番組で一つ大きな話となっていたのが今の近江屋寝具店にあった「山口マーケット」でした。
皆さんからの情報をまとめると…
①たくさんの小さなお店が集合していたような市場
②商店街の入り口から入って横の道(北野小路)に抜けることができた。
③すこしうす暗い感じ
当時のお店の方が山口にいらっしゃらないかと聞くと、古熊に「原田さん」というお茶屋さんがあるとの情報を得ました。
すぐに古熊に行きますと、ありました原田茶舗。
現店主のお父さんが戦後にお茶屋をはじめ、このマーケットの中に入ったそう。
マーケットの時代から コープの中のテナントに入り現在にいたるとのこと。
原田さんの話では10数件の商店がお金を出し合い土地を購入し、建物を建ててマーケットを始めたそうです。
どうしても中市商店街の入り口付近が人気なので当初はマーケット内をローテンションして店の位置を変えようという構想があったらしいけど、結局移動はせずに同じ場所でずっと営業していたそうです。
原田さんに当時の店の見取り図を描いていただきました。
中市からマーケットに入ると左右には西川さんと岩永さんという履物店。
岩永さんは二つお店があったけど、長靴と下駄と種類を分けていたとのこと。
続いて化粧品店やおもちゃ屋さん、毛糸屋さん・金物店。さらに魚屋・野菜・肉といった生鮮食品。
店の奥には原田さんのお茶の店、とふじやという呉服店という布陣。
中には宿直室もあり当番で誰かが泊まっていたそうです。
最終的には土地建物を売却し全店舗に分けて解散し、現在はそれぞれのお店がどこで何をしているかはほとんどわからないということです。
こんな具体的なエピソードが出てくる山口マーケット。
実は写真がほとんど残っておらず、探せど探せど見つからず。
観光地ならいざしらず、そりゃあ、ふつうのマーケットの写真を撮ろうという人はなかなかいませんよね。
写真が無いなら 絵を探すことになります。
ここでいつも使わせていただくのが徳見七郎さんという方の水彩画です。
徳見さんは市内の建物や風景の絵をたくさん書き留められていて、残された絵は間違いなく山口市の宝です。
もちろん山口マーケットの絵も残っていました。
この絵はとても素晴らしく番組内でも使用しましたが、調査をしているとそれとは別にもう一枚、マーケットの面影を今に残すイラストが出てきたのです。
徳見さんの絵とはまた一味違ったタッチで描かれたイラスト。
こちらは正面からマーケットを描いた資料としてとても貴重です。
絵を描いたのは松本幸之助さんという漫画家の方。
昭和7年生まれの鰐石に住まれていた方で戦前戦後の山口市内の風景画を描いておられました。
当時の様子がイラストからつたわってくるし、何より解説がつけられていてこれも貴重な証言です。
この本は県立図書館にあります。興味があるかたは是非ご覧ください。
そしてこの本にもう一枚、往時の中市の様子を描いた絵がありました
これは現在のドマーニさんとテンポウさんのあたりの絵。
昔は麹屋さんと種苗屋さんが並び、その間(現在のクレープ売り場)のところに中国人の印番屋さんがいらっしゃったみたい。
この麹屋さんの写真も現在私は見つけられず、この絵をもってのみその雰囲気を想像することしかできないわけでして、この絵を見つけたときは大興奮でした。
ドマーニさんと元麹屋さんだった吉見さんにこの絵を見せたところ、確かに昔はここで中国の方が印判を売っていたと。吉見さんによると小郡から通ってきたシュウさんという方だと。とても面白い方だったと。
なんでここで印判を売っていたかというと正面に郵便局があったからだそうです。
なるほどなるほど。
このようにいろんな方に話を聞いたり資料を見せてもらっていると、「点」と「点」がぴしっと結びつき、次第に「線」となり、そしてその後はっきり「面」として、再び当時の姿の一端をよみがえらせてくれます。
番組は起承転結をつけないといけませんから、そこからはみ出る取材ノートのようなものもブログでは紹介していきたいなと思います。
今回の放送は今週の日曜日まで。
中市商店街の後編は1回、滝企画をはさんで今月末にお届けする予定です。
(後編としたけど全3回になるかも。)
ディレクター 松田大輔