「AD」と呼ばなくなる時代
01月19日
最近のニュースで気になったのが「AD(アシスタントディレクター)」の呼称問題です。
ADは仕事がきつく、イメージが悪いから新しい呼称を「ヤングディレクター=YD」だの「ネクストディレクター=ND」にするとのこと。
ほんとにくだらない(笑)
この問題についての立場を 個人的に鮮明にしておくと「反対」です。
ADという言葉がなくなったなら、私の修業時代はどうなるのか?
ADの時代に怒られたり泣いたり苦しんだり悩んだり眠れなかったり、で、た~まに笑ったりして、結果、今があります。
「AD」という言葉は、現在のADの人たちはもちろん、私を含めてこれを経験した人たちのアイデンティティーになっているのです。
それを「イメージが悪いから言葉を変えましょう」とされると、私の過去を消されるみたいでとても悲しいです。
社会からかわいそうに思われてたんだ…とも思いました。
自分自身はそんな風には思ってなかったんだけどなぁ。
100歩譲って現在のADの人たちが「もう明日からYDって呼んで!」と言っているのなら話がわかりますが、恐らくそうではないでしょう。
きっとどこかの偉い人が言い始めたことなのでしょう。
おそらくADをやったことない偉い人が。
ADを厳しい仕事だと思うなら、呼び方を変える前に他にも助けてあげる方法はいくらでもあると思うんですけどね。
私はこの問題をADの人たち自身に、ADらしい方法で解決したらどうだろうと思いました。
ADの仕事の一つに「アンケ―ト取り」というものがあります。
テーマに沿ったアンケートをタレントさんに送ったり、街角で意見を聞いたりして、集約し、その結果を番組に生かす仕事です。
私も昔よくやりました。
このアンケートを使って、自らの仕事でもって、自らの呼称を決めてもらうのはいかがでしょう?
◆ADさん(あるいは元ADさん)1000人に聞きました。
「Q1.あなたはADと呼ばれたいですか?呼ばれたくないですか?」
「Q2.Q1で呼ばれたくないと答えた人は何と呼ばれたいですか?」
骨のあるADさん、どうぞこういう行動を起こして、自分の今を肯定してあげてください。
あなたの仕事は確かに今きついかもしれないけど、どこかの誰かを楽しませていたり、あるいは将来楽しませてあげることができるかもしれない素敵な仕事なんですよ。だれかに勝手に呼び名を変えられるような仕事じゃありませんよ。
ADの話に終始しましたが、実はこういうことって社会に結構ありますよね。
呼び方を変えたり、変なルールをつくって上辺(うわべ)だけは検討した風を装って、本質的な議論を避けるような傾向が。
いわゆる「大人の事情」というやつです。
かくいう私も100%胸を張れるわけでは全くないですが、なるべくならちゃんと真正面から向き合って、ときには”子供の事情”で行動しようと思いました。
いいタイミングなので懺悔をします!!!
・本来、毎週更新にしなければならない所を、大人の事情で(私の都合で)隔週更新にしてすみません。
(次回の更新は1月24日です!)
・本来、すぐに発送しなければいけない滝カードやDVDを、大人の事情で(私の甘えで)延び延びにしてすみません。
(今月までには全部やります!)
・本来、ゴールしているはずの滝の落差を、大人の事情で(別れつらさで)引き延ばしてすみません。
(今の企画が面白いのでつい…。)
私が今ADだったらめちゃくそに怒られるな…。
「よし!明日から頑張ろう!」
「ふざけんな!明日からじゃなくて今頑張れ」
ADはこう怒られるわけです。
ディレクター 松田大輔